もしかしたら角膜びらんかもしれません。
今回は目の病気である角膜びらんについて紹介します。
角膜びらんとは。原因は?
目の黒目部分を覆っている透明な膜である角膜の上皮の一部または全てが剥がれた状態を角膜びらんと言います。
下記のような外からの刺激が原因で角膜を傷付け角膜びらんになってしまうことが多いです。特に目が乾燥していると角膜が傷つきやすい状態になり、目をこすっただけで角膜びらんになることもあります。
- 逆さまつ毛が当たる
- 化粧の際に指や爪でひっかく
- 目にゴミや埃が入った時に目をこする
また、コンタクトレンズの不適切な使用も原因となります。
- コンタクトレンズを外さないままの就寝
- コンタクトレンズの洗浄不十分
- 外国産の粗悪なコンタクトレンズの使用
- コンタクトレンズの使用期限を超えた装着(例:1dayを1週間使用)
最近では、カラーコンタクトレンズ(カラコン)を使用される方が多くなりました。カラコンは通常のコンタクトレンズよりも性能が良くないものがほとんどであるため、近年カラコンを使用している方で角膜びらんを発症する方が増えています。
角膜びらんの症状
代表的な症状として下記が挙げられます。
- 目のかゆみ
- 目の痛み
- 白眼の充血
- 目にゴミが入った様な異物感
- 涙が止まらない
- 眩しさで目を開けられない
これは角膜びらんにより角膜内部が剥き出しの状態になっているためです。放置していると視力低下や目の痛みの悪化、人によっては再発を繰返す事もあります。
さらに症状が進むと角膜潰瘍と言う、目に小さな穴が出来る病気になってしまい、失明する可能性があります。目に痛みや異物感が続くことがあれば、すぐに眼科に行きましょう。
角膜びらんの検査方法
通常、目の診察の際に必ず行われる細隙灯顕微鏡(さいげきとうけんびきょう)による検査を行います。目に光を当てて、顕微鏡で拡大して目の状態を調べます。
患者は顔をあごあてにのせて待っているだけです。
角膜びらんの検査は安易なもので、検査のみの場合は約10分程度で終わります。
なお、再発を繰り返す場合は免疫疾患や糖尿病がないか検査する為の血液検査を行う場合があります。
角膜びらんの治療方法
軽度の場合は点眼薬による治療を行います。人口涙液(涙に似た成分が入った抗菌点眼薬)を用います。
症状が重い時は直に目の中に軟膏を塗る眼軟膏治療を用います。軟膏を目の中に塗り眼帯をする事で目への刺激が和らぎ早期治癒が期待されます。
まれではありますが、再発を繰り返す場合は目を保護するコンタクトレンズを使用したり、手術をすることもあります。角膜びらんの再発を繰り返す人は角膜専門の眼科を受診すると良いでしょう。再発性角膜びらんで悩まされている方が多く受診しているため、その人の症状に合わせた治療をしてくれることが多いです。
治療に要する期間は?
治療期間も早ければ3日程で回復する方もいますが、平均5日~1週間で完治する事が殆どです。
剥がれた角膜上皮の接着が完全ではない時は数週間かかる場合もあります。
なお、治療期間中はコンタクトレンズを使用することが出来ません。日頃コンタクトレンズを使用している方は注意が必要です。
角膜びらんの予防方法
角膜びらんはちょっとした対策次第で予防が可能です。
角膜びらんは目が乾燥しているとき発症することが多いです。特にPC作業が多い、スマホなどを長時間使用するとまばたききの回数が減り、目の乾燥を招いてしまいます。
乾燥を防ぐには意識して瞬きの回数を増やす、点眼薬(人口涙液)をこまめに使う事で回避可能です。そして、目のかゆみや痛みを感じても必要以上に目を触らない事も大切です。
コンタクトを使用される方は使用法と使用時間を守りコンタクトを清潔に保つ事、レンズを外した後の目の洗浄も角膜の汚れを取り除き、乾燥を防ぐには有効です。
体験談
角膜びらんの体験談は下記の記事を参照して下さい。
まとめ
角膜びらんは完治しても再発する可能性が高い病気です。
予防策で再発を回避する事も大事ですが角膜びらんにならない事が1番です。
目に少しでも違和感や異常を感じたら早期に眼科を受診する様にしましょう。